おたふくかぜワクチン、みずほうそう
おたふくかぜ、ムンプス(Mumps)が流行中。予防には予防接種を。
おたふくかぜ、ムンプス(Mumps)が、流行中です。
おたふくかぜは、唾液腺の腫脹を特徴とする疾患です。感染者の3人に1人は、耳下腺の腫脹が明らかにならず、かかっていることがわからずに、周囲の人にうつしています。感染症は人からうつされて被害者になり、人にうつして加害者になり、その立場をかえます。これを予防するのが、おたふくかぜワクチンです。
おたふくかぜワクチンを2回接種している人は非常にかかりにくいと考えます。
日本以外のほとんどの国は、おたふくかぜワクチンを2回接種しています。世界中で、おたふくかぜワクチンを2回接種していない国は、日本と未開国だけです。
おたふくかぜに感染して症状が出るまでの期間(潜伏期)は16日〜18日、長く見て、12日〜25日です。学級閉鎖をしても感染を阻止できません。感染を阻止するのは、おたふくかぜワクチンだけです。
おたふくかぜにかかって、唾液腺がはれたら、最低5日して、かつ全身状態が良好となれば、出席停止がとかれます。
おたふくかぜワクチンをほとんどの方が接種している外国での話ですが、おたふくかぜ流行中の学校では、おたふくかぜワクチン接種していない方(おたふくかぜに対する免疫がないと考えられる方)は、出席停止措置がとられ、学校を休まなくてはなりません。このときの、出席停止措置は、26日以上と、長くなります
。
今年、日本で、おたふくかぜが、大流行しているのは、おたふくかぜワクチン接種していない方が、たくさんいるからです。集団感染防止のために、「学級閉鎖」を考慮するとしたら、最低でも20〜30日間の学級閉鎖が必要となり、現実的ではありません。インフルエンザの潜伏期は2〜4日、おたふくかぜの潜伏期16〜18日、この違いが、対処法についての、大きな差になります。
おたふくかぜはおたふくかぜワクチン2回接種で予防できる疾患です。
おたふくかぜワクチン接種しない方が、おたふくかぜにかかっても、自己責任です。
おたふくかぜは、耳下腺等の唾液腺腫脹、髄膜炎、精巣炎(男性の不妊の原因)、卵巣炎(女性の不妊の原因)、関節炎、甲状腺炎、乳腺炎、糸球体腎炎、心内膜弾性繊維症、血小板減少、小脳失調、横断脊髄炎、脳炎、膵炎、聴力障害(なおりません)、等を引き起こすことがあります。
流行阻止のために、何かをしたい、ということなら、おたふくかぜワクチン未接種者で、おたふくかぜ未罹患者を、出席停止措置にし、出席停止期間は20日から30日。おたふくかぜワクチン接種したらすぐに登校を許可。おたふくかぜワクチン2回接種済みの者は出席停止措置不要。このたびの流行でおたふくかぜにかかって出席停止期間を終了した人も、出席停止措置不要。となりますが、日本では、あまり現実的な対応とは言えません。日本人全員におたふくかぜワクチンを公費で接種するのが良いのですが、経費がかかりすぎるので、まずしないでしょう。
政府や自治体等、お上に頼らず、自助努力、自分で、「家族に、おたふくかぜワクチンを接種する」のが、現実的対応です。林医院では、予約無しで、おたふくかぜワクチンを接種できます。
みずぼうそうのワクチンは帯状疱疹のワクチンにもなります
みずぼうそうは何十年後に、帯状疱疹として、再燃します。
帯状疱疹は非常に強い痛みを伴います。帯状疱疹後神経痛が何ヶ月何年も残って、正常な日常生活を送れなくなることがあります。ワクチンはこれを三分の一に減らします。
帯状疱疹は20才、40才、50才、70才と高齢になるほど、罹りやすくなります。みずぼうそうに罹った事のない方には、ワクチンはみずほうそうの予防になります。
みずぼうそうに罹った事のある方には、ワクチンは帯状疱疹と帯状疱疹に伴う神経痛の予防になります。最近の研究では、みずぼうそうにかかった方も、20才、30才、40才、50才、60才、70才と、10年毎に水痘ワクチンを接種すると、帯状疱疹と帯状疱疹に伴う神経痛にかからずにすむとのことです。
みずぼうそうについては、このような事もありました。
家族でハワイに出かけて、飛行機の中で、子供がみずぼうそうになりました。ハワイに到着してすぐ、この家族全員、隔離されました。二人目のみずぼうそうが出るか出ないか、わかるまで、二三週間、隔離は続きました。その後、みずぼうそうが、出ない事が、判明してから、帰国の航空機に乗って、帰ることが出来ました。観光も出来ず、費用は莫大。
みずぼうそうのワクチンは、大阪で開発されたワクチンですが、効果が認められて、世界中で使用されるようになりました。みずぼうそうになるのを防ぎます。また、みずぼうそうにかかってしまった方に、十年ごとに接種すると、帯状疱疹の予防に使えます。帯状疱疹による頑固な神経痛を予防します。